組織の健康配慮が行動変容を後押し、社会経済システムや組織への信頼強化を 新型コロナが働く人の意識に及ぼす影響を継続調査~第4回「働く人の意識調査」

調査研究や提言、実践活動により生産性向上をめざす公益財団法人 日本生産性本部(東京都千代田区、会長:茂木友三郎)は1月22日、新型コロナウイルス感染症が組織で働く人の意識に及ぼす影響の継続調査(第4回「働く人の意識調査」)結果を取りまとめ、公表しました。

コロナ禍の長期化を視野に、日々の暮らしや働き方、組織の業務内容や運営形態などが見直され、その影響は社会・経済の仕組みや人々の意識・価値観の変遷にまで及ぼうとしています。このような状況の下、経営者・労働者・学識経験者の三者構成による日本生産性本部は、組織で働く雇用者を対象に、所属組織に対する信頼度や雇用・働き方に対する考え方などについて、継続的にアンケートによる意識調査を実施しています。

今回の調査は、5月22日公表の第1回(調査期間:5月11日~13日)、7月21日公表の第2回(同:7月6日~7日)、10月16日公表の第3回(調査期間:10月5日~7日)に続く4回目で、1月8日に政府より1都3県を対象に2回目の緊急事態宣言が発出された直後の1月12日(火)~13日(水)に、20歳以上の日本の企業・団体に雇用されている者(雇用者=就業者から自営業者、家族従業者等を除いたもの)1,100名を対象にインターネットを通じて行ったものです。

今回は、年末年始の休み日数と過ごし方の変化、感染不安と不要不急の外出自粛に関する設問などを新たに追加し、年代・性別や勤め先の健康配慮により自粛意識に差があることを確認しました。

主な特徴は以下の通りです。

【第4回「働く人の意識調査」主な特徴】(詳細や図表は別添「調査結果レポート」参照)

1. 社会経済システムの信頼性:行政と医療システムへの信頼性は低下(図3)

・政府(国)に対して「全く信頼していない」が前回(10月調査)の20.1%から32.4%へと大幅増で過去最多、「あまり信頼していない」(44.4%)と合わせると76.8%。都道府県、市区町村も「全く信頼していない」が過去最多となるなど、行政への信頼性の低下が目立つ(図3)

・医療システムについても「全く信頼していない」9.8%、「あまり信頼していない」27.4%と、いずれも過去最多となり、信頼性がやや揺らいでいる(図3)

図3:様々な社会経済システムの信頼性

2. 年末年始の休み日数と過ごし方の変化:行政の呼びかけを受け、過ごし方に変化(図4~6)

・年末年始の休みの日数について、「例年と変わらない」が73.1%で最多、「増えた」は15.1%、「減った」は11.8%(図4)

・年末年始の過ごし方について、「家でゆっくり過ごす」が例年の78.8%から84.5%に増加。それ以外の過ごし方の実施率は軒並み例年を下回り、「忘年会(自宅外)」は例年の40.9%から3.7%に、「新年会(自宅外)」は同29.5%から2.1%に、「初詣」は同52.2%から23.9%に激減(図6)

3. 感染不安と不要不急の外出自粛:感染不安はあるものの、外出自粛への意識は年代別に差(図7~14)

・自分自身が新型コロナに感染する不安の程度について、「かなり不安を感じている」35.2%、「やや不安を感じている」48.2%と、83.4%が「不安を感じている」(図7)

・年代別に見ると、60代で「かなり不安を感じている」が49.0%と全年代を通じて最多、20代は29.8%、それ以外の世代では30%台。「不安を感じていない」(「まったく不安は感じていない」「あまり不安は感じていない」の合計)は20代が24.8%で最多、年代が高まるにつれて減少している(図8)

・政府・自治体が繰り返し呼びかけている“不要不急の外出”を「できるだけ避けるようにしている」は49.8%と、半数近くが外出自粛を強く意識。「まったく避けていない」「あまり避けるようにしていない」と外出自粛を意識していない割合は合わせて10.8%(図9)

・「できるだけ避けるようにしている」割合を男女別にみると、男性46.6%、女性53.7%と、女性の方が有意に多い(図10)。また、年代別に見ると、30代で36.2%と他の世代より有意に少なく、外出を「避けていない」(「あまり避けるようにはしていない」「まったく避けていない」の合計)は20代が19.9%で最多(図11)

・外出自粛の意識と勤め先からの健康配慮との関係について、勤め先が健康に十分な配慮をしてくれているとの認識が強い者は、外出を「できるだけ避けるようにしている」割合が68.7%と有意に多くなっており、健康配慮を感じている程度が高いほど、外出を「避けていない」の合計が少なくなっている(図14)。企業などが、雇用者の健康に常に配慮し、様々な取り組みを行うことにより、外出自粛の重要性が雇用者に伝わるものと推測される

図8:年代別・コロナに感染する不安

図14:勤め先の健康配慮別・不要不急の外出

4. 勤め先への信頼感:健康配慮や信頼度へ肯定的評価は安定、雇用不安は5割程度で推移(図16~20)

・勤め先の健康配慮について、「そう思う」15.1%、「まずまずそう思う」49.9%と、合わせて65.0%が肯定的(図16)、勤め先への信頼度も「信頼している」「まずまず信頼している」の合計62.7%が肯定的(図20)で、いずれも7月調査以降安定傾向にある

・2020年5月以降、同じ設問・選択肢で4回の調査を行い、いずれも業績・収入不安は6割強である一方、雇用不安は5割前後に抑えられている(図17~19)

5. 働き方の変化:テレワーク実施率に大きな変化はないものの、継続を望む声は最多(図33~43)

・雇用者全体のテレワーク実施率は統計的に増加したといえず2割程度で安定しているものの(図34)、1都3県では32.7%が実施(図35)、職種別では専門的・技術的な仕事で10月調査の22.8%から36.3%に増加(図37)

・コロナ禍収束後もテレワークを行いたいかについては、「そう思う」が34.7%と10月調査の26.0%から増加。テレワークを望む回答は76.4%(「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」の合計)で、過去4回の調査で最多(図42)

・一方、新型コロナ収束後の働き方や生活様式について、コロナ禍以前の生活様式に回帰するとの見通しは10月調査とあまり変わらず、変化には依然として懐疑的(図43)

図34:テレワークの実施率

図42:コロナ禍収束後もテレワークを行いたいか

【別添資料】(資料1)調査結果レポート、(資料2)調査票、(資料3)単純集計表

* 調査結果レポート本文は、日本生産性本部の調査研究・提言活動サイト

https://www.jpc-net.jp/research/detail/005059.html >をご参照ください。